2011年03月18日
SGカップ中止、ボートレースは3月まで全レース中止
東日本大震災によって、公営競技は軒並み開催中止に追い込まれた。戸田ボートでは、16日に「SG第46回総理大臣杯」が開幕するはずだったが、取りやめに。11日の震災直後から開催に向けて最大限の努力を行ったが、計画停電をはじめ次々と悪化する事態には逆らえなかった。現場は被災者への配慮と、支援のためにも早期の開催再開を望む声と、矛盾する思いの中で戸惑っていた。
◇ ◇
超一流の選手が52人集結し、16日から6日間に渡って熱戦を繰り広げるはずだった戸田ボート。総理杯と次のオムロンカップ開催を告げる横断幕が残る競走水面は、予定されたバトルが行われず穏やかなままだった。その中で、職員は今後への不安を表情に出しつつも、来るべき再開に向けての準備に懸命に取り組んでいた。
11日に襲った大地震は当然、戸田にも大きな揺れをもたらした。交通網はマヒ。戸田競艇組合の牧野正・事務局長をはじめ、帰宅をあきらめざるを得なかったスタッフも数人いた。だが目前に迫った大舞台へ、準備の手を止めるわけにはいかない。翌12日、職員総出で丸一日を費やし、投票や審判などあらゆるシステムをチェック。建物などに大きな被害がなかったことも幸いし、SG開催に支障なし、との結論を出すに至った。
戸田市や同市議会からは「開催するのなら、復興支援の形を取るべき」との指示があった。組合側も売上から義援金を捻出することにし、急ごしらえではあるが募金箱も用意した。SG開催へ向けての準備は万全といえた。だが翌13日、全24場での、3月いっぱいの開催取りやめが決定。見込んでいた売上、125億円は露と消えた。年度末に襲った悲劇は、こういう形でも大きなつめ跡を残したのだ。
総理杯の代替開催をはじめ、今後への見通しは全く立っていない。戸田ボートそのものは自家発電システムを持ち、レースを行うことはできる。だが、今もなお電力不足や計画停電、それによる交通網の大混乱は進行中だ。それを考えれば、4月から即再開、と言い切れる状態にないことは明らかだ。年度単位で予算を執行しているが、4月からの収入を全く計算できないのは大きな痛手である。
今後について牧野局長は「わからない」と戸惑いの表情を見せた。被災地への支援はしたい。「海難事故への備え、海事というのは、まさに我々が普段からやってきていることだから」。津波で被災した人々への支援や、2度と悲劇を繰り返さないための備えはまさにボート業界の本分。だが、そのためには開催をして売上を出さなければいけない。「日常生活が大変で国中が節電を求められる中、開催をすることが皆さんのご理解を得られるのかどうか」。このジレンマから抜け出す術は見つけようがない。
ボート全24場の中で本場売上No.1を誇る戸田ボート。震災の影響が落ち着き、日本中が復興に向けて歩みを進めたときには、大きな使命を背負って力を発揮するだろう。今はそのときに備えて、推移を見守りつつ態勢を整えるしかない。
ソース元 デイリー
3月末まで開催中止で兵庫県の「新開地」も静かである・・・
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超一流の選手が52人集結し、16日から6日間に渡って熱戦を繰り広げるはずだった戸田ボート。総理杯と次のオムロンカップ開催を告げる横断幕が残る競走水面は、予定されたバトルが行われず穏やかなままだった。その中で、職員は今後への不安を表情に出しつつも、来るべき再開に向けての準備に懸命に取り組んでいた。
11日に襲った大地震は当然、戸田にも大きな揺れをもたらした。交通網はマヒ。戸田競艇組合の牧野正・事務局長をはじめ、帰宅をあきらめざるを得なかったスタッフも数人いた。だが目前に迫った大舞台へ、準備の手を止めるわけにはいかない。翌12日、職員総出で丸一日を費やし、投票や審判などあらゆるシステムをチェック。建物などに大きな被害がなかったことも幸いし、SG開催に支障なし、との結論を出すに至った。
戸田市や同市議会からは「開催するのなら、復興支援の形を取るべき」との指示があった。組合側も売上から義援金を捻出することにし、急ごしらえではあるが募金箱も用意した。SG開催へ向けての準備は万全といえた。だが翌13日、全24場での、3月いっぱいの開催取りやめが決定。見込んでいた売上、125億円は露と消えた。年度末に襲った悲劇は、こういう形でも大きなつめ跡を残したのだ。
総理杯の代替開催をはじめ、今後への見通しは全く立っていない。戸田ボートそのものは自家発電システムを持ち、レースを行うことはできる。だが、今もなお電力不足や計画停電、それによる交通網の大混乱は進行中だ。それを考えれば、4月から即再開、と言い切れる状態にないことは明らかだ。年度単位で予算を執行しているが、4月からの収入を全く計算できないのは大きな痛手である。
今後について牧野局長は「わからない」と戸惑いの表情を見せた。被災地への支援はしたい。「海難事故への備え、海事というのは、まさに我々が普段からやってきていることだから」。津波で被災した人々への支援や、2度と悲劇を繰り返さないための備えはまさにボート業界の本分。だが、そのためには開催をして売上を出さなければいけない。「日常生活が大変で国中が節電を求められる中、開催をすることが皆さんのご理解を得られるのかどうか」。このジレンマから抜け出す術は見つけようがない。
ボート全24場の中で本場売上No.1を誇る戸田ボート。震災の影響が落ち着き、日本中が復興に向けて歩みを進めたときには、大きな使命を背負って力を発揮するだろう。今はそのときに備えて、推移を見守りつつ態勢を整えるしかない。
ソース元 デイリー
3月末まで開催中止で兵庫県の「新開地」も静かである・・・